地域衰退の際に「最後は移住すればいい」という考えがありますし、実際に衰退地域からは仕事しなくては生活が成立しない若い人ほどどんどん移住をしていきます。今後は移住すればいいではなく、生活環境を維持できる範囲が限定的になり、「移住せざるをえない」という状況も少なからず出てくるでしょう。夕張市とかは自治体レベルでも既にそうなっていますね。

以下の統計は、人の移動範囲に関する国際比較データです。
これを見ると、ずっと同じ市や町で生活してきた人が43.8%もあり、なんだかんだで半分近くの人たちがずーっと同じ場所に住んでいて、地域という範囲まで拡大すると実に7割の人たちがあまり移住せずにずっと生活していることがわかります。様々な海外で生活したことがある人は1%に限られます。


(引用元) http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1174.html

今後、インターネットの普及で仕事は国内でもボーダーレスになっていくでしょうし、さらに経済は国際化がさらに進んでいくことで、どんどん住む場所などを国内外問わず移動していくことになろうかと思います。が、まだまだ日本人には移住することは抵抗のある選択である人が多くいるのでしょうね。一方でこれだけ国に閉じこもって生活しながら、今のような生活が営めている奇跡にも驚かれます。

また高度な医療施設、インフラ環境、サービス産業集積がある都市部へと人が流れこんでいくことは継続しますし、夕張や被災地(今後も日本国内では自然災害は続くわけで)のようなケースも出てくれば集団移住なども必要になってきますし。そういう意味では、移住という選択肢は積極的選択だけでなく、消極的選択として選ばれる機会も多くなるのでしょう。

さらに、自分なんかは今後、二地域居住や多地域居住生活をどんどんしていくことになろうなと思っています。今でも住所は東京ではあるものの、実際地方に滞在している時間はかなり長いので、従来の居住し、働くスタイルからは乖離してきています。そういう意味では、今後は従来の暮らしとは違う生活スタイルも拡大していくのだろうと思います。

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