様々な地域での事業をやって成果が出ると増加するのは「視察」と「講演依頼」の2つです。

基本的に地域活性化は事例主義の世界なので、すぐに事例を知りたい、事例を見に行きたいという話が出てきます。
本当は事例だけでなく、フレームワークのほうが大切で、どういう枠組みでそれが成果をあげているのかというのを客観視できる力が求められます。とはいえ、やはり視察に行くという需要が多いのもまた事実。

が、現場側としては日頃の地元でのプロジェクトも忙しいのに、そこに視察対応となるとますます忙しくなります。
早稲田の時から視察見学はすべて有料というのが、自分としてのスタンスなので関わる地域は皆、有料にしたほうがいいですよ、ということで、皆さん有料化をしています。とはいえ、いちいちメールだの電話だの、さらには細かな時間調整だの、あれもしたい、これもしたい、みたいなフルカスタマイズに応じていたら忙殺されて、事務局の手が回らなくなってしまいます。

これが成功事例地域によく発生する「視察による現場崩壊」現象です。
電話なんかされたらそれぞれに時間を割かなくてはならなく成りますから、10分の電話が1日に10本かかってきたら、100分ですからね。さらに、それを受けて視察対応者の手配などをやったりとかやっていると、平気で数時間は経過していきます。成功事例で一世を風靡すると、人を新たに雇うとか、もしくは今いる人が何かの地元での業務を犠牲にする必要が出てくるのです。

しかもいつまでも視察見学が来続けるということはないので、数年で山は越えます。

ということで、やはりこの手の受付はすべてオンラインで行って、現場の生産性をあけるべき領域です。
まちづくり分野でこの手の事務局にコストをかけるということは、生産性の低下をまねきます。事務作業は極力自動化、フォーマットに沿って効率的に行っていくことが大切です。

今年から視察見学対応をより積極的にやろうということで、オガールプロジェクトでAIAが組んで専用サイトの仕組みを構築し始めています。ちょっとサイトデザインが追いついていませんが、まずはメニュー選択、日程調整、オプションなどの受付をすべてオンラインで完結するように転換。今後、春以降などは観光企画などとの連携など営業強化をしていきます。

◯オガールプロジェクト視察受付サイト
http://ogal.caselec.jp/

大人の社会科見学とかも流行っている昨今、まちづくりも単なる業界人による視察ではなく、一般観光客にとっても面白い内容なども目指したいと思ったりしています。

どちらにしても、視察受け入れを無料で手作業でやったりしているのではなく、しっかりと自動化し、さらには観光事業としての位置づけを明確にしていくということが大切だなと考えています。そのあたりでシステムや事業の構築について、オガールから全国各地のアライアンス・パートナーとの合同企画など発展させていこうと今年考えています。
 
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