2008年の熊本につづいて、2010年10月から札幌大通まちづくり株式会社においても、エリア一体型ファシリティマネジメント事業が開始されました。昨年より事業検討を共に行ってきまして、札幌大通まちづくり株式会社や不動産オーナーさんの多くの方のご協力のもとで実現できたものです。

■日本経済新聞社「 札幌・大通地区の街づくり会社、ビル管理を共同化 」

札幌大通まちづくり株式会社は昨年設立された、札幌市大通地区の活性化を目的に事業展開をする会社です。昨年より熊本でのノウハウを生かして、同社と共に大通地区のビル管理の状況を多くのオーナーさんの協力のもとに調査を行い、その上で合理化可能な分野を絞り込み、事業計画を策定してこの10月からスタートとなりました。

まず第一弾事業はエレベーター保守管理業務をまちづくり会社で一本化していく取組みです。エレベーター事業は、設置しているビルは必ず法定点検等を実施する必要があり、またお客様にお乗りいただくためには一定のメンテナンススペックを維持していくことは必須です。その点で、毎月1台あたり数万円のコストを支払っており、台数が増加すればするほどにこのコストはかさんでいきます。また従来は、再見積などを積極的にビルオーナー側も行っていなかったため、コストが高止まりしている場合もみられるため、今回の合理化を皆で行うこととなりました。

またコストの問題だけでなく、エレベーターの老朽化状況をみれば建築物の寿命や、リニューアル計画といった中長期的な課題についてもビルオーナーと協議ができるようになります。具体的には、エレベーターの寿命は一般的には20年程度と言われていますが、これにあわせてリニューアルをかけるのか、もしくはもう数年後に建物自体を立替えるためにもう少しメンテナンスで維持していくべきなのか。などを検討していくことなどがあります。

今後札幌ではゴミ処理や蛍光灯などの消耗品購買についても共同化を検討しています。

これらも熊本、札幌の2地域で互いに連携しながら、また検討が続いている他地域とも情報共有を図っていくものです。従来は各地域が個別に事業に取組み、視察見学をして、補助金を取得して見よう見まねで同じような取組みを各地域で行ってきました。が、その多くは失敗してきたことは皆さんご存知の通りです。つまりそのようなモノマネ型のモデル拡散の時代は終わりました。

これからはまちづくり事業に取組む側もプログラムとして体系化する努力をし、同じ事業プログラムを走らせる地域同士は共通プラットフォーム上で、ノウハウを共有化していくことが合理的であると考え、進めていきたいと思っています。
熊本でのトライアンドエラーから札幌ではより進化し、さらに今後の地域では事業検討が加速度的に進んでいます。つまりいらぬトライアンドエラーをしないで済む、事業検討に必要なプロセスが明確になるので事業化までのリードタイムが圧縮されていくのです。

札幌ではビルオーナーの方々、まちづくり会社の服部さんはじめとした現場を取り仕切っているスタッフの方々などの深い理解とアクションを背景にして進んでいきました。まちの経営に対する理解と、今すぐに行わなくてはならないという緊迫感。これにより、事業検討がスピードをもって推進できました。本当に札幌大通まちづくり株式会社は素晴らしい事業型まちづくり会社です。

ご興味のある方はご連絡ください。共に取組みましょう!


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