まちづくり会社経営において当然ながら、優秀な専従マネジャーとスタッフがいることに越したことありません。しかしながら、今のまちづくり市場からいて、優秀な人材が多数雇用される規模でも、構造でもありません。

結果として、優秀な専従マネジャーとスタッフがいないまちづくり会社がほとんどです。
しかしながら、今度は「うちにはマネジャーがいないからダメなんだ」とこれを言い訳にして、事業開発ができない、成果をだせない、と逃げることになっている実態もあります。

優秀な専従マネジャーとスタッフがいるのが最高ですが、いないから最悪ではありません。

今の仕事の回し方は昭和の時代から比較して、飛躍的に生産性が上がっています。まずインターネットの普及によって物理的に一つのオフィスにいなくても情報伝達、プロジェクト管理などの多くはこなせるようになっています。携帯電話も普及し、歩きながら複数地点と電話会議をすることも簡単にできるようになっています。また、オンラインアプリやネットバンクなどの普及によって経理処理なども自動的に複数地点で権限を振り分けしながらやることもでき、決裁なども電子システムが普及しているのでこれもまたどこでもできます。

会議こそ当然オフィスでやることはあるわけですが、フリーアドレスで皆で仕事を分担してやっていくことがやりやすくなった。つまりワークシェア型で一人が複数の仕事をかけ持つのが非常にやりやすくなっています。

まちづくり事業でもこれを使わない手はないわけです。

ネットを使うことによって、優秀な人材のリソースを切り売りしてもらえる可能性があるということです。300万円の人件費予算しかない時にこれを専従スタッフ用に使ってはいい人材がくる可能性は非常に低いです。当たり前ですが。ですが、150万円ずつ2人に委託し、業務を回してもらう。特段オフィスに毎日来る必要はなく、週1の会議程度。あとは企画業務などを自分の時間管理の中でやってもらって、そのファイル共有とかはネットでやりつつ、関係者との会議報告などもネットで共有。それぞれで企画推進に必要な業務をこなしていくということは十分にできます。

AIAの各地でのプロジェクトは、初期のキャッシュフローが小さい時期は、地元の能力がある方とワークシェア型でのプロジェクト参画をしてもらうことで業務を回しています。固定で払うこともあれば、収益変動型で契約する場合もある。そうすると、地元で複数の仕事の依頼を受けたり自ら展開するだけあってそういう人は、企画やっても、営業やっても、非常に高いパフォーマンスを生み出します。よっぽど制約のあるなかで専従形式で仕方なく雇ったマネジャー人よりも働き、稼いで、まちに貢献することを積極的にやってくれます。

こういう形にすれば、地域の多くの人に少しずつ仕事を頼みながら、まちづくり事業を育てていくことができる。

昔からの同じオフィスに常にいて、仕事を進めるという形式に固執するのではない、まちづくり事業、まちづくり会社経営をつくっていく必要があると思います。優秀な専従マネジャー、スタッフを雇えるような市場を作るためにも、事業を育てる必要があるわけですから、初期に優秀な人材に関わってもらえる形を作るのが必須です。