地域系の活性化事業の多くでは、会議を基本としてプロジェクトにおいて合意形成が重要視されます。もちろん都市計画などの公共性や共益性の絡むことを勝手にやることはよくありませんので、一定の合意形成が必要になります。が、その後は実際に事業を回していく必要が生じます。そのような段階に至っても、以前として多数の会議を開催することによってプロジェクト管理を推進するアプローチが多くの地域がとられています。

しかしながら、プロジェクトの進捗管理や業務品質管理などはこのような会議だけでは十分に行うことは難しいものです。より難しいプロジェクトになればなるほど、報告事項も多くなるため会議は長時間化、しかもその回数も多くなっていきます。それは関係者にとって多くの工数をとられることになり、さらに言葉だけの議論が中心となり見えないストレスも増大していくものです。このあたりはまちづくり系はあまり会議費や参加者の労働対価というコストがほとんどかからないことが多いので、かなりルーズになってしまうのも事実です。

また書類作成も一部の人間だけに加重がかかり、あとは全て口頭で処理しようとするのも特徴です。簡単な記載やチェックなどは必ず行うルールにしていかなくては、数限りある書類作成能力のある人の工数をムダに食いつぶすことになります。これもまた、多くの地域でこの工数にしっかりと対価を当事者に支払っていないことが多いので、かなりルーズになりがちなところです。

このような体制がしっかりとできていない環境で事業を進めていると、補助事業などを入れてもその処理等に翻弄されてしまうことが多くあります。さらには、締め切り等が近くなりデスマーチと呼ばれるような非常に過酷な処理などが一部の人間に科せられるようなことになってしまいます。

やはり活性化事業を進めている人たちが、むやみな負担を科せられるのはフェアではありませんし、それではいいプロジェクトにはなかなかなりません。だからこそ、プロジェクトマネジメントの基本的なところはしっかりと押さえて実施することが重要であると思います。

簡単なPMの説明などで参考になるのは、以下のもの。

■デスマーチを止める進ちょく管理の現実解

私が取り組むPJの場合には、これまでもプロジェクト自体は細かく進捗確認などをしますが、基本的にはエクセル等でタスクを整理して、それらがどのように変化しているのか当事者の方々に何らかの記載やチェックをしてもらうようにしています。
メールなどのコミュニケーションツールを利用することは必須です。会議でむやみに時間調整をして集まるのではなく、会議は可能な限り週1回から月1回程度に留め、それ以外はオンラインのツールを利用するのがベストです。これは何も会う時間を削減するだけでなく、やりとりの記録を残すこと、決まったスケジュール通りに行っているか可視化して管理すること、思いつきではなくしっかりと簡単な文字(メモ書き程度でいい)にして送る習慣、などを定着させることでその後の進め方にも非常に良い影響が出てきます。

もちろん実際に集まって決めたり、合意形成をしなければならないことも少なからずありますので、そういったことは必ず集まってやることにするのがベストです。ただ決まったことを進めるのに当たっては、再度会議をやるのではなく、しっかりと分担を整えて進めていくのがよいです。このようなスタイルは早稲田で地域活性化やっていたときからの習慣ですが、最近はよりメールやオンイングループウェアも高度になってきたので、それを活用できる余地が広がっていると感じます。

これまでは言葉言う人20人に対して、しっかりと書類を作る人が1人、管理をする人が1人程度。つまりはしっかりと記録に残るようなアクションを生み出していく人が10%程度だったのではないかと思います。しかしそれで様々な事業をやると、絶対にその一部の人たちだけに大きな負担を強いることになり、さらには関係者全員が多くの会議時間をとられることに繋がっていきます。何より一度そのような体制になると疲弊して、二度三度と事業を続けることが難しくなります。

事業の持続可能性には、単にビジネスモデルとしていの持続性確保だけでなく、そのプロジェクトを進める体制やシステムそのもので個人を保護し、組織的に動いていくことも必要であります。

ちょうど自分も色々と進めている時期でもあるので、このあたりをひしひしと最近感じます。