さてPASMOがいよいよスタートされ、私鉄・バスでもSuica・PASMOの相互利用環境が整いました。同時に従来JR系のキオスクだけに限定されていた電子マネー決済も私鉄系キオスクでも利用可能になってきています。その他エキナカ系決済は全て電子マネーで対応できるようになっていくことが見えました。これで都市圏の生活動線の多くを占める交通網に関連する決済の多くが非接触型ICカードによる、電子マネー決済で対応できるようになったといって良いでしょう。

また今年はコンビニエンスストア最大チェーンであるセブンイレブンも電子マネー決済に対応するようになります。これまでもedy等での決済が可能な他のコンビニチェーンはありましたが、日本最大のコンビニチェーンが対応することはインパクトが違います。セブンイレブンは11,310店舗(H.17年)、チェーン売上高は24,987億円(H.17)が電子マネー決済に対応するわけです。しかも少額決済を基本としている現在の電子マネー決済にはコンビニは非常に適しています。
セブンイレブンで発行する独自の電子マネーカードはnanacoという名称にするようですが、他社とも相互乗り入れ可能にするとのことです。

「交通、コンビニ、飲食店(レストラン)、量販店」など様々なシーンで電子マネーが利用できるようになります。さらに相互乗り入れが可能だったり、共通端末を利用していたりというようにシームレスに利用できるような環境も整いつつあります。

■年代別利用割合
また実際の利用もどんどんと増加してきているようで、総務省・情報通信統計を見ると以下のようになります。06年調査全体ではまだ15%程度の利用ですが、20代、30代男性に限ると25%にまで利用率が高まります。



また女性でも20代では利用者が15%となっており、今後決済シーンの拡大でより高くなるでしょう。



07年には前述のように利用可能なシーンが飛躍的に拡大するので、この利用率もまた急激に上昇することが予測できます。既にPASMOの発行枚数は初日だけで51万枚を記録しており、普及度はどんどん高まるのでしょう。

■利用額割合
また利用額を見ると06年調査でも利用者の6割は月に5000円以上は電子マネー決済を活用していることがわかります。かくいう私は、Suica、edyで月に10,000万円以上は決済しています。今後はPASMOなども開始しているのでこの決済額は確実に増加することが予想できます。



2010年までに2.5兆円市場に拡大するとNRIでは予測を出しています。どちらにしても2007年は電子マネーが真に決済手法として一般的に認識される最初の年といって過言ではないでしょう。いつでも、どこでも電子マネーで決済できる日は近いのです。

■「PASMOがスタート、「IC決済」拡大が止まらない」-決済情報は統計データから顧客別情報へ-