少し前に日本では「ホワイトバンド」というものが流行りました。ホワイトバンドを購入すると、国際的な貧困問題解決活動に役立てられるという仕組みで注目された。

しかし現在、米国から火がついているのは「RED(レッド)」です。「RED Project」は今年の1月に開催されたダボス会議にて、U2のボノ氏のアイデアから参加企業などによって発表されたものです。共通のREDブランド商品を参加企業で開発し、その一部を世界基金に寄付。その資金をHIV対策として生かされるという仕組みです。

現在までにモトローラ(携帯電話会社・REDの携帯端末)、アメリカンエキスプレス(クレジットカード会社・REDのカード)、GAP(アパレル会社・REDのTシャツ)、アルマーニ(有名ブランド・REDの時計)、コンバース(靴会社、REDのスニーカー)、アップル(コンピューター会社、REDのiPod)などが参加、独自の製品供給をしている。

日本でも複数企業参加のブランドなどはかつていくつかありました。最近だともう終了してしまいましたが、WILLというブランドがありました。トヨタや松下電器、コクヨなどが参加していたものですが、中々ブレイクしないままに終了となってしまいました。

WILLのような試みから企業間提携のブランドというものは中々定着しないというものもあるなどの話を以前聞きましたが、今回のREDプロジェクトにより各社提携しての製品開発・販売はかなり円滑にいっているようです。特にGAPのシャツなんかは売り切れてしまって中々入手も困難だそうです。これらの「魅力的な商品」と「社会貢献」とを結びつけたコンセプトは、大変クールな印象を持って迎えられ、支持されていると言えるでしょう。

このような手法はコーズ・リレーティッド・マーケティング(通称、コーズマーケティング)などと呼ばれることはこのブログでも何度か取り上げています。興味があれば、検索してご覧下さい。

製品の新たなブランドコンセプトとして、クールな社会貢献というのは日本でも受け入れられる環境が整いつつあるように感じます。このようなコンセプトを利用した企業間提携ブランドの試みが日本にも波及してくるか、興味深いです。

<<参考WEB>>
■REDプロジェクト公式サイト