今週読んだ書籍や論文で参考になったものを掲載します。あっと言うに一週間が過ぎますね。。まだやり残した仕事が結構あるので、根気入れて終わらせなくてはなりません。汗

■今週読んだ本で商業学関連では、
商業学(特に商業政策関連部分) 石原武政,佐藤 善信, 池尾 恭一
 商業学という内容どおり、以前に読んだ商業関連書籍同様に基本的に商業の社会的な役割、マーケなどに関して整理されていました。ただ最終部分の商業政策の部分の歴史的整理は大変参考になりました。百貨店法や大店法のみならず、商店街振興組合法からテナントミックスやまちづくり会社制度など現在のタウンマネジメントの視点に結びつく施策がどのように展開されてきたのか、など自分が生まれていない時期などの話も結構ありまして、しっかりと整理されているのは大変助かりました。

商業組織の内部編成 石原武政
 この本はかなり参考になる内容です。前編部分は商業学の基礎となる延期と投機、商業の集約化とその限界や業種、市場を商業的な観点からどうみるのか、などをこれまで学問的にどのように整理されてきたのか、を丁寧に解説されています。
 また後編は商業集積の役割(相互依存性など)や小売業の業態革新について語られており、これらは商店街という日本における商業集積を考える上で大変参考になる部分でした。さらに生産と商業の分業関係については、近年の製販一体化の流れについて書かれています。ここの部分は、個人的には生活協同組合の商業学的な検討材料として大変興味を惹かれました。生産者と消費者とを結びつけるシステムを作り上げてゆくことが、商業学的にどのような意味を持ちうるのか、大変興味深い内容と言えます。

百貨店の誕生―都市文化の近代
 これに関しては先日詳細を記載したので割愛しますが、日本における大型店などの業態革新について検討する上で大変参考になりました。特に近年の大型量販店の事業戦略などを過去の百貨店の誕生から歴史的に解釈する上でも役立ちました。


■都市計画関連では、
都市のシステムと経営 西村 幸夫ほか
 以前も読んでいる本ですが、再度小泉秀樹先生(東大都市工学系助教授)の部分に関して再読しました。先日小泉先生のお名前をお聞きする機会がありまして、研究内容が自分の興味範囲と近いという感じを受けたため、書籍や論文を今週、集中的に読むことにしました。丁度手元にあった小泉先生の論文が掲載されているのが、この本だったので読みました。
 旧来からの組織(町会や商店街など)と新しいNPO組織とのコンフリクトなどを考える上で参考になる部分でありました。近年の都市再生政策関連には、大都市部などに偏重した再開発を促進することだけになっているということで、批判的な内容も、個人的にも納得ができるところではあります。もちろんそれ自体が悪いかどうかは別としても、地方においては効果が薄いというのは確かです。

そこで、この本の参考文献から先生の論文をいくつかチョイスして、下記の2本が大学図書館にもありましたので、早速手に取りました。

・小泉秀樹
 「都市民主主義の再生-アメリカとし再生政策の歴史的展開に学ぶ-日本不動産学会誌16巻2号P.15-24」
  この内容は、米国におけるモータリゼーションやスプロール化における都市荒廃に対する、米国歴代大統領、政府がどのような政策を取り、その結果がどのようになったのか、という歴史的整理がなされている論文でした。特に都市中心部のスラム化に対してクリアランスによって処理しようとした結果、都市暴動などが巻き起こる土壌を形成し、その後の政策内容を"悪しきものの排除"なものから"都市の自立的経営基盤の育成"という選別から育成的視点に切り替わったことを示しています。ただ個人的にジュリアーニなどが90年代に行った路上生活者などの排除施策はこれら過去のクリアランスとはどのように異なるものであったのか、など追加的な興味を引かれるところでもあります。
 どちらにしても、変遷を経て現在の制度政策、民間の力を持ちえた米国の都市再生環境を省みて、その結果的に形成されている制度・政策などをわが国にもう込もうとするのが難しい背景には、これにの歴史的都市民主主義の蓄積という見えざる資産が形成されているのではなか、と考えさせられるものです。

 「まちづくりNPOは都市居住再生の担い手になりえるか?-英米との比較から考える-」都市問題研究2005年4月号
 この論文は、昨年私自身も関心をもって会社の研究チームで取り組んだ金融政策などと都市空間利用に関する論文と観点が似ている内容でした。相違点としては、こちらは都市内居住の促進策として金融政策を見ている点で、私のほうは商業機能的側面から見ている点でした。内容的には米英両方の比較から結論を導いており、英国に関する内容は存じ上げなかったため、特にとても参考になりました。CRAはじめとする金融政策や補助金制度、ファンド事業などがハウジングなどの都市内居住を促進する上で効果的に機能している点、英国においては米国よりもより国の直接的主導が顕著に見える形態であることが分かります。
 私も商店街などを中心にはしていますが、基本的に中心市街地再生などは単純に旧来の商業集積の再構築だけでは達成できないと考えています。むしろ、居住環境などを含めて土地利用を抜本的に考え直し、必要な機能の選定、実現というプロセスが民主的に行われる必要があると感じています。
 その上で実効性の問題を解決するために、諸外国では資金面、専門家の面でどのように取り組んできたのか、大変参考になる論文でした。

また来週も可能な限り本も読みたいと思います。基本的に電車移動時間中のみが読書時間ですが(^-^;